第5回 “赤ちゃんのように学べば英語ができる”は本当か?

こんにちは。今回は、英語学習の世界でよく聞かれるフレーズ、

「赤ちゃんのように英語を学べば、自然と話せるようになる」

この言葉について、少し立ち止まって考えてみたいと思います。

👶 赤ちゃんの言語習得は“奇跡”ではなく、“環境と時間の総力戦”
赤ちゃんは、言葉を“自然に”覚える……
たしかにそう見えます。

でも実際には、
毎日、何千回も繰り返し、
家族の声を聞き、
自分の声を出し、
失敗しながら言葉を身につけています。

それは、
1日中言葉に浸っている環境と、
丸ごと3〜4年かける時間
あってこそ可能なプロセスです。

私たちが中学生・高校生・大人として英語を学ぶとき、
同じような環境や時間は、まず確保できません。

📉 聞き流しだけで英語が話せる、は誤解
この「赤ちゃん方式」が悪用されると、
「聞いているだけで自然と英語が話せるようになります!」
という“夢のような教材”になります。

でも現実には、
ただ聞いているだけでは、
脳は言語を「自分のもの」として処理しません。

聞いた内容を、
真似する。
口に出してみる。
何度も確認する。

そうした“能動的な繰り返し”があって
初めて、英語は身につくのです。

🧭 私たちが目指しているのは、「自然に見える合理性」
だからこそ、私たちは
“赤ちゃんのように”という言葉を、
こう置き換えています:

「音から入り、まねして、くり返して、体にしみこませる」

それは、赤ちゃんの学びの“構造”だけを参考にし、
学習者の年齢・環境・時間に合わせて
最適化された学び方です。

この方法なら、限られた時間でも、
聞いて → まねして → 確認して → 自信に変えていく、
という流れが自然に作られていきます。

「真似する」ことは、最短の学び方
私たちの塾では、
英語をまず音から聞いて、
自分の口でまねしてみるところから始めます。

意味がすぐにわからなくても大丈夫。
まずは音に慣れ、口を動かす。

そこに少しずつ文法の知識を加えていくことで、
英語が
“丸暗記”ではなく
“感覚でつかめる言葉”になっていきます。

次回予告:
次回は、いよいよ歴史をさかのぼって、
「福沢諭吉たちはどうやって英語を学んだのか?」を探ります。
今のような教材もない時代、
彼らは何を繰り返し、
どう言葉を身につけたのでしょうか?

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